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外壁
外壁塗装が初めての方必見!失敗しないための基礎知識や疑問を丁寧に解説
2023.07.12
CONTENTS
家に住み始めてから年数が経ち、外壁塗装を検討している方もいるでしょう。
しかし、外壁塗装が初めての場合、
「外壁塗装が初めてで、わからないことが多すぎる」
「費用や施工期間はどれくらい?」
など、さまざまな疑問があって情報収集しているのではないでしょうか。
外壁塗装は住まいにとって欠かせないメンテナンスですが、知識や情報がないまま進めてしまうと手抜き工事をされたり、相場より高い金額を請求されたりする可能性があるため、基礎知識を踏まえて検討を進めることが大切です。
そこで今回は、外壁塗装を行ううえで知っておくべき基礎知識を解説します。初めての方でもわかりやすい内容となっておりますので、ぜひご覧ください。
住宅のメンテナンスとして外壁塗装が必要だと言われますが、実は外壁材によって外壁塗装が不要なケースがあるのをご存じでしょうか。
日本の住宅で主流の外壁材である窯業系サイディングやガルバニウム鋼板、モルタル外壁などは外壁塗装が必要ですが、一方でタイルやレンガは外壁塗装が不要です。ただし、タイルやレンガは目地の補修などは定期的に行う必要があるので、メンテナンスフリーというわけではない点に注意しましょう。
つまり、自宅の外壁材にタイルまたはレンガを採用している場合は、外壁塗装を検討する必要がありません。このように、外壁材の種類によって外壁塗装が不要なケースもあるので、まずは外壁材の種類を確認することをおすすめします。
外壁塗装は決して安いものではないため、簡単にやり直すことはできません。万が一、失敗してしまうと、後悔したまま次のメンテナンス時期まで過ごすことになるでしょう。
ただ、頻繁に行うものではないため、いざ外壁塗装をしようと思っても知識や情報がなく、結果的に何らかの失敗をしがちです。そこで、初めて外壁塗装を行うときは、以下の6つのポイントを押さえておくことが重要です。
・塗り替え時期の見極め方
・施工費用の相場
・施工の流れ
・塗料の種類と選び方
・色選びのポイント
・信頼できる業者の見つけ方
一つひとつ詳しく解説していきます。
まずはいつ頃外壁塗装を行うべきかを判断できるよう、どのような点をチェックすべきか見ていきましょう。
ただし、10年に一度というのはあくまで目安であり、採用している塗料によって再塗装を行うべきタイミングが変わってきます。
このように、外壁塗装に使用される塗料の種類によって耐用年数に大きな差があり、主流のシリコン塗料の場合は8〜12年です。なお、「耐用年数」とは、雨風や紫外線などの外的要因から建物を守れる期間のことを差し、いわば塗料の寿命のことです。
耐用年数いっぱいになってから塗装を検討する方も少なくありませんが、さまざまな条件によって耐用年数に差が出るため、シリコン塗料を採用している場合は8〜10年を目安に再塗装を検討し始めるのがおすすめです。
そのため、シリコン塗料を採用していても、8年未満で再塗装が必要になるケースもあるため、劣化症状を見極めることがより最適なメンテナンス時期の判断につながります。
では、再塗装が必要だと判断される代表的な劣化症状を4つ紹介します。
ここで解説した4つの劣化症状のどれかが見つかった場合、耐用年数を迎えていなくても外壁塗装が必要になる可能性が高いため、業者に点検を依頼するようにしましょう。
初めて外壁塗装をされる方は、費用面も心配なポイントでしょう。
外壁塗装の費用は住宅の大きさや劣化具合、採用する塗料の種類などさまざまな要素によって変動しますが、大まかな相場を知っておくことで損をしたり、相場より高額な見積りで契約したりするリスクを軽減できます。
こちらの金額は足場代や養生、高圧洗浄などの付帯工事を含んだ金額で算出されているため、総額でいくらかかるのかが目安としてわかります。
外壁塗装の見積りは、安すぎても高すぎてもよくないため、相場を把握して適正価格か判断できると安心です。なお、安すぎる場合は、手抜き工事や必要以上に塗料を薄めている可能性などが疑われ、反対に高すぎる場合は、不要な費用を上乗せされている可能性があります。
家の大きさや外壁の劣化状態、天候などで変わる可能性はありますが、一般的に外壁塗装の施工期間は10〜14日とされています。
さまざまな工程があるので、工程ごとの内容とポイントを解説します。
何のあいさつもないまま勝手に工事を始めるとトラブルの原因になるため、工事が始まる1週間前を目安に挨拶を行います。挨拶を業者に任せることも可能ですが、どこの範囲にどのようなことを伝えるのか事前に確認しておきましょう。
足場の組み立ては4〜6時間程度で終わるケースが多いですが、「カンカン」といった音が気になりがちなのでリモートワークなどを行う場合は注意しましょう。
そこで塗料がきちんと密着するよう、高圧洗浄で汚れを落とします。水を使って汚れが落ちない場合は、バイオ洗浄などが行われるケースもあります。
雨の日には実施できないケースがあるので、天候が悪いと延期になるケースがあるでしょう。
下地処理を補修しないまま塗装した場合、劣化部分の上から塗料を重ねているだけなので、短期間で劣化症状が現れてしまいます。そのため、下地処理が丁寧に行われているかによって仕上がりや持ちが変わる重要な工程です。
塗装工程は全部で3回あり、一番最初に下塗りが行われます。「シーラー」「フィラー」と呼ばれる下塗材を塗布し、中塗りと上塗りで使用する塗料の密着度を高める役割があります。
中塗りと上塗りは色の付いた同じ塗料を塗るのですが、塗りムラをなくしたり、状態のよい塗膜を形成したりするためにあえて2回に分けて塗っていきます。
なお、上塗りが完了したら、塗料が完全に乾燥する前に養生を剥がして施工完了となります。
完了検査では業者によるチェックのほか、依頼者側が見て気になるポイントがあれば質問したり、必要に応じて修正してもらったりするステップです。
チェックを業者任せにするのではなく、塗装のムラや塗り残しなどが発生していないか確認するようにしましょう。
3〜4時間程度で終了するのが一般的ですが、リモートワークやオンライン会議などの予定が入っているときは音が気にならないよう時間帯や日時をずらすのがおすすめです。
外壁塗装において、塗料選びは重要なポイントです。
塗料は大きく5つのグレードに分けられるので、グレードごとの特徴を押さえて自宅に合う塗料を選びましょう。
1㎡あたりの単価は大きな差ではありませんが、30坪2階建ての住宅に外壁塗装を行う場合、塗装面積はおよそ120㎡になるため、比較するグレードによっては数十万円の差が生じます。
しかし、グレードの低い塗料はすぐに再塗装が必要になり、長期的にかかるメンテナンスコストで考えると割高になるケースも少なくありません。一方、フッ素塗料や無機塗料は単価が高いので1回あたりの施工費用が高くなりますが、15〜25年は再塗装が必要ないためコストパフォーマンスを高くできるでしょう。
「数年しか住む予定がないので、グレード低い塗料で問題ない」
「将来的なメンテナンスコストも踏まえて、コストパフォーマンスの高い塗料を選びたい」
など、外壁塗装に何を求めるかによって最適な塗料が変わってくるので、優先したいポイントを明確にしたうえで業者に相談するのがおすすめです。
住宅の外壁は第一印象を左右する重要なポイントであるとともに、プランニングで迷いがちな点でしょう。
数年〜数十年ほど付き合っていく色になるため、後悔のない色選びを行うことが大切です。
ここでは、後悔しない色選びのポイントを解説します。
外壁塗装は非常に大きな面積に塗装するのに対し、サンプルを確認するのは小さな面積であるため、面積効果によって色選びを失敗しがちです。
たとえば、白やベージュなど明るい色を選ぶときは、面積効果を踏まえて、サンプルで見た色よりも明度と彩度が明るく見えることをイメ―ジしましょう。
塗料のカタログに掲載されているのは数センチ角の小さいものばかりですが、A4サイズの色版が存在するものもあります。すべての色を色版で確認するのはむずかしいため、気になる色をピックアップして、業者に色版を用意してもらうとよいでしょう。
しかし、外壁だけでなく、家全体で使用する色は3〜4色までに抑えることをおすすめします。3〜4色に抑えることでバランスのよい見た目になりやすく、反対にさまざまな色を使ってしまうと雑多な印象になってまとまりのない印象になりがちです。
サッシや玄関ドア、屋根の色なども含めて、全体のバランスを見て色を選ぶと失敗しにくくなります。
とくに集合住宅地なので多くの家がある場合、街並みや周囲の住宅に合わない色を選んでしまうと悪目立ちする可能性があります。
最後に、最重要ともいえる業者の選び方について解説します。
いくらグレードの高い塗料を選んでも、施工業者の知識や技術が低ければ、期待できる効果を得られない可能性があります。また、相場より高い金額を請求したり、手抜き工事をしたりするような悪徳業者も存在するので、業者選びは慎重に行うことが大切です。
ここでは、信頼できる業者の見つけ方を解説します。
外壁の状態は時間をかけて丁寧に見なければ詳細な状態がわからないため、60〜90分ほどかけて丁寧に見てくれる業者を選びましょう。反対に、30分以内で家の周りをサッと見るだけでプランや見積りを提示してくる業者は信頼できないうえに、追加費用が発生する可能性が高いといえます。
たとえば、以下のような内容と単価、数量が記載されていれば、丁寧な見積だといえるでしょう。
・作業内容
・各工程でかかる材料や工程、数量、単価
・施工面積
・施工範囲
・施工回数
・具体的な塗料名と単価、数量
一方、項目が少なく「一式」としか記載されていない、塗装工事と記載されているものの、使用製品(塗料)や数量(施工面積)が明記されていないのは、悪い見積もりだといえます。
項目を少なくして不明確にすることで、金額を上乗せしているのをわかりにくくしたり、手抜き工事をしたりする可能性があります。
施工実績は業者のホームページに掲載されていることが多いので、何件あるのか、どのような住宅をどのような塗料で施工しているのかなどチェックしてみましょう。住宅は一軒ずつ状態や形が異なるので、施工実績が豊富なほど知識や経験が豊富である可能性が高いです。
また、業者のホームページには魅力的なことが多く書かれているので、口コミなどを確認しておくのもおすすめです。相場より高かったり、手抜き工事をしている業者は、口コミにそのような内容が書き込まれているケースがあるので、契約前に確認しておくと安心でしょう。
写真で報告してくれないからといって、必ずしも悪徳業者であるとは言い切れませんが、依頼者の安心につながるよう写真を見せてくれるのは、満足度の高いサービスを提供しようとしている業者だといえます。
外壁塗装の基礎知識について解説しましたが、基礎知識で解説したこと以外にも疑問や不安を感じている方もいるでしょう。
外壁塗装を初めて行うときに疑問に感じがちなポイントについて、一つひとつ解説します。
ただし、足場や養生、飛散防止シートなどで死角ができることもあるので、戸締りを確認してから出かけましょう。
相見積もりを取ると失敗するリスクを抑えられる反面、あまり多くの業者から見積りを取ると、対応が大変なうえに、最終的に1社に絞るのが大変になります。相見積もりを取るなら3社前後として、丁寧に比較してみることをおすすめします。
ただし、訪問販売で契約を迫る業者や、相場より安すぎたり、高すぎたりする金額を提示してくる業者は悪徳業者である可能性があるため、何らかの違和感を覚えた場合は相見積もりを取るとよいでしょう。
臭いや塗料が付くリスクがあるうえに、作業の邪魔になる可能性があります。そのため、一時的に部屋干しにするか、コインランドリーを使うといった対応を検討しておく必要があります。
雨天で行われる作業工程もありますが、塗装は雨や雪、湿度の影響で乾燥しにくくなるので作業を行えません。
梅雨や雪の降る地域などは、タイミングによって施工期間が伸びることを想定して予定を組みようにしましょう。
今回は、初めての外壁塗装で押さえておきたい基礎知識を解説しました。
外壁塗装は決して安いものではないため、簡単にやり直しができません。一度施工すると数年〜数十年は付き合っていかなければならず、後悔することのないよう事前に基礎知識を付けておくことが重要です。
ぜひ今回の記事を参考に、基礎知識を踏まえて失敗のない外壁塗装を実現してください。
しかし、外壁塗装が初めての場合、
「外壁塗装が初めてで、わからないことが多すぎる」
「費用や施工期間はどれくらい?」
など、さまざまな疑問があって情報収集しているのではないでしょうか。
外壁塗装は住まいにとって欠かせないメンテナンスですが、知識や情報がないまま進めてしまうと手抜き工事をされたり、相場より高い金額を請求されたりする可能性があるため、基礎知識を踏まえて検討を進めることが大切です。
そこで今回は、外壁塗装を行ううえで知っておくべき基礎知識を解説します。初めての方でもわかりやすい内容となっておりますので、ぜひご覧ください。
業者に相談する前に!外壁材によっては塗装が不要なケースもある
住宅のメンテナンスとして外壁塗装が必要だと言われますが、実は外壁材によって外壁塗装が不要なケースがあるのをご存じでしょうか。
日本の住宅で主流の外壁材である窯業系サイディングやガルバニウム鋼板、モルタル外壁などは外壁塗装が必要ですが、一方でタイルやレンガは外壁塗装が不要です。ただし、タイルやレンガは目地の補修などは定期的に行う必要があるので、メンテナンスフリーというわけではない点に注意しましょう。
つまり、自宅の外壁材にタイルまたはレンガを採用している場合は、外壁塗装を検討する必要がありません。このように、外壁材の種類によって外壁塗装が不要なケースもあるので、まずは外壁材の種類を確認することをおすすめします。
初めての外壁塗装は失敗しがち!押さえておきたい基礎知識6選
外壁塗装は決して安いものではないため、簡単にやり直すことはできません。万が一、失敗してしまうと、後悔したまま次のメンテナンス時期まで過ごすことになるでしょう。
ただ、頻繁に行うものではないため、いざ外壁塗装をしようと思っても知識や情報がなく、結果的に何らかの失敗をしがちです。そこで、初めて外壁塗装を行うときは、以下の6つのポイントを押さえておくことが重要です。
・塗り替え時期の見極め方
・施工費用の相場
・施工の流れ
・塗料の種類と選び方
・色選びのポイント
・信頼できる業者の見つけ方
一つひとつ詳しく解説していきます。
塗り替え時期の見極め方
まずはいつ頃外壁塗装を行うべきかを判断できるよう、どのような点をチェックすべきか見ていきましょう。
耐用年数
外壁塗装は10年に一度の再塗装が必要と言われる通り、年数で判断するのが方法の一つです。ただし、10年に一度というのはあくまで目安であり、採用している塗料によって再塗装を行うべきタイミングが変わってきます。
塗料の種類 | 外壁塗装での耐用年数 |
アクリル塗料 | 3〜5年 |
ウレタン塗料 | 5〜8年 |
シリコン塗料 | 8〜12年 |
フッ素塗料 | 15〜18年 |
無機塗料 | 20〜25年 |
このように、外壁塗装に使用される塗料の種類によって耐用年数に大きな差があり、主流のシリコン塗料の場合は8〜12年です。なお、「耐用年数」とは、雨風や紫外線などの外的要因から建物を守れる期間のことを差し、いわば塗料の寿命のことです。
耐用年数いっぱいになってから塗装を検討する方も少なくありませんが、さまざまな条件によって耐用年数に差が出るため、シリコン塗料を採用している場合は8〜10年を目安に再塗装を検討し始めるのがおすすめです。
劣化症状
塗料の耐用年数を目安に外壁塗装を検討するのも方法の一つですが、耐用年数はあくまで目安であり、外壁材や周囲の環境などで差がでます。そのため、シリコン塗料を採用していても、8年未満で再塗装が必要になるケースもあるため、劣化症状を見極めることがより最適なメンテナンス時期の判断につながります。
では、再塗装が必要だと判断される代表的な劣化症状を4つ紹介します。
劣化症状 | 内容 |
チョーキング | 外壁に触れると、白い粉が付着する状態。防水機能が失われている。 |
ひび割れ | クラックとも呼ばれ、外壁表面にひび割れが生じている状態。サッシ周辺や釘を打っているところに発生しやすく、大きさによっては部分補修が可能ですが、ひびから雨水が侵入する可能性がある。 |
カビ・コケの発生 | 外壁表面に緑や黒っぽい汚れが目立つ場合は、カビやコケが発生している可能性が高い。風通しや日当たりの悪い場所に発生しやすく、根付くと外壁を傷めてしまう。 |
反り | サイディング外壁に発生する劣化症状であり、外壁塗装の効果が切れた外壁材が水を吸収したり、乾燥したりを繰り替えすことで変形している状態。状態が悪いと外壁塗装ではメンテナンスできず、部分張り替えが必要になる。 |
ここで解説した4つの劣化症状のどれかが見つかった場合、耐用年数を迎えていなくても外壁塗装が必要になる可能性が高いため、業者に点検を依頼するようにしましょう。
施工費用の相場
初めて外壁塗装をされる方は、費用面も心配なポイントでしょう。
外壁塗装の費用は住宅の大きさや劣化具合、採用する塗料の種類などさまざまな要素によって変動しますが、大まかな相場を知っておくことで損をしたり、相場より高額な見積りで契約したりするリスクを軽減できます。
40坪の外壁塗装の費用は「90~140万円」が相場
一般的な30〜40坪2階建ての戸建てで必要な外壁塗装の費用相場は90〜140万円が中心の価格帯であるとわかりました。こちらの金額は足場代や養生、高圧洗浄などの付帯工事を含んだ金額で算出されているため、総額でいくらかかるのかが目安としてわかります。
外壁塗装の見積りは、安すぎても高すぎてもよくないため、相場を把握して適正価格か判断できると安心です。なお、安すぎる場合は、手抜き工事や必要以上に塗料を薄めている可能性などが疑われ、反対に高すぎる場合は、不要な費用を上乗せされている可能性があります。
施工の流れ
家の大きさや外壁の劣化状態、天候などで変わる可能性はありますが、一般的に外壁塗装の施工期間は10〜14日とされています。
さまざまな工程があるので、工程ごとの内容とポイントを解説します。
ステップ1:着工前の近隣あいさつ
外壁塗装は10〜14日と施工期間が長いうえに、工事車両の出入りや臭いなどで近隣住民の方に迷惑をかける可能性があります。何のあいさつもないまま勝手に工事を始めるとトラブルの原因になるため、工事が始まる1週間前を目安に挨拶を行います。挨拶を業者に任せることも可能ですが、どこの範囲にどのようなことを伝えるのか事前に確認しておきましょう。
ステップ2:足場組み立て
工事初日は足場の組み立てを行います。足場の組み立ては4〜6時間程度で終わるケースが多いですが、「カンカン」といった音が気になりがちなのでリモートワークなどを行う場合は注意しましょう。
ステップ3:高圧洗浄
外壁表面には、何年も蓄積された汚れが付着しており、汚れたままの状態で塗装を行っても塗料が密着しません。そこで塗料がきちんと密着するよう、高圧洗浄で汚れを落とします。水を使って汚れが落ちない場合は、バイオ洗浄などが行われるケースもあります。
ステップ4:養生
外壁塗装は外壁材の表面に塗装を行うため、窓やドア、バルコニーなどに塗料が付着しないようビニールでカバーする工程を養生と言います。雨の日には実施できないケースがあるので、天候が悪いと延期になるケースがあるでしょう。
ステップ5:下地処理
下地処理とは、コーキングの劣化やひび割れなどの劣化部分を補修する作業です。下地処理を補修しないまま塗装した場合、劣化部分の上から塗料を重ねているだけなので、短期間で劣化症状が現れてしまいます。そのため、下地処理が丁寧に行われているかによって仕上がりや持ちが変わる重要な工程です。
ステップ6:下塗り
さまざまな工程を経て、塗装工程に入ります。塗装工程は全部で3回あり、一番最初に下塗りが行われます。「シーラー」「フィラー」と呼ばれる下塗材を塗布し、中塗りと上塗りで使用する塗料の密着度を高める役割があります。
ステップ7:中塗り
下塗材が十分に乾燥したら、中塗りを行います。中塗りと上塗りは色の付いた同じ塗料を塗るのですが、塗りムラをなくしたり、状態のよい塗膜を形成したりするためにあえて2回に分けて塗っていきます。
ステップ8:上塗り
上塗りでは中塗りと同じ塗料を塗りますが、塗装工程の最後にあたるので仕上がりのきれいさが求められます。
ステップ9:完了検査
塗装工程を終えたら、完了検査が行われます。完了検査では業者によるチェックのほか、依頼者側が見て気になるポイントがあれば質問したり、必要に応じて修正してもらったりするステップです。
チェックを業者任せにするのではなく、塗装のムラや塗り残しなどが発生していないか確認するようにしましょう。
ステップ10:足場解体&完成
最後に足場を解体して完了となります。3〜4時間程度で終了するのが一般的ですが、リモートワークやオンライン会議などの予定が入っているときは音が気にならないよう時間帯や日時をずらすのがおすすめです。
塗料の種類と選び方とコツ
外壁塗装において、塗料選びは重要なポイントです。
塗料は大きく5つのグレードに分けられるので、グレードごとの特徴を押さえて自宅に合う塗料を選びましょう。
基本的な塗料は5種類
外壁塗装の塗料は数百種類ありますが、以下の5種類のいずれかに分類されます。塗料のグレードとは、耐用年数や耐候性がどれくらいあるのかを指しており、グレードが高くなるにつれて耐用年数が長くなるとともに、単価もアップする傾向にあります。塗料の種類 | 1㎡あたりの単価相場 | 外壁塗装での耐用年数 | 屋根塗装での耐用年数 |
アクリル塗料 | 1,000〜1,200円/㎡ | 3〜5年 | 3〜5年 |
ウレタン塗料 | 1,800〜2,000円/㎡ | 5〜8年 | 4〜7年 |
シリコン塗料 | 2,500〜3,500円/㎡ | 8〜12年 | 7〜11年 |
フッ素塗料 | 3,500〜4,500円/㎡ | 15〜18年 | 12〜15年 |
無機塗料 | 4,500〜5,500円/㎡ | 20〜25年 | 17〜20年 |
1㎡あたりの単価は大きな差ではありませんが、30坪2階建ての住宅に外壁塗装を行う場合、塗装面積はおよそ120㎡になるため、比較するグレードによっては数十万円の差が生じます。
希望に合う塗料を選ぶのがおすすめ
外壁塗装は決して安いものではないため、できるだけ1回あたりの施工費用を抑えたいと考えて、グレードが低く安価な塗料の採用を検討される方も多いでしょう。しかし、グレードの低い塗料はすぐに再塗装が必要になり、長期的にかかるメンテナンスコストで考えると割高になるケースも少なくありません。一方、フッ素塗料や無機塗料は単価が高いので1回あたりの施工費用が高くなりますが、15〜25年は再塗装が必要ないためコストパフォーマンスを高くできるでしょう。
「数年しか住む予定がないので、グレード低い塗料で問題ない」
「将来的なメンテナンスコストも踏まえて、コストパフォーマンスの高い塗料を選びたい」
など、外壁塗装に何を求めるかによって最適な塗料が変わってくるので、優先したいポイントを明確にしたうえで業者に相談するのがおすすめです。
色選びのポイント
住宅の外壁は第一印象を左右する重要なポイントであるとともに、プランニングで迷いがちな点でしょう。
数年〜数十年ほど付き合っていく色になるため、後悔のない色選びを行うことが大切です。
ここでは、後悔しない色選びのポイントを解説します。
面積効果を考慮しておく
面積の大小で色の見え方が変わることを「面積効果」といい、明るい色は面積が大きいほど明度と彩度が明るく見え、暗い色は面積が大きいほど暗く見える現象を指します。外壁塗装は非常に大きな面積に塗装するのに対し、サンプルを確認するのは小さな面積であるため、面積効果によって色選びを失敗しがちです。
たとえば、白やベージュなど明るい色を選ぶときは、面積効果を踏まえて、サンプルで見た色よりも明度と彩度が明るく見えることをイメ―ジしましょう。
大きな色見本で確認する
面積効果による色イメージのギャップを少なくするために、大きな色見本で確認するのがおすすめです。塗料のカタログに掲載されているのは数センチ角の小さいものばかりですが、A4サイズの色版が存在するものもあります。すべての色を色版で確認するのはむずかしいため、気になる色をピックアップして、業者に色版を用意してもらうとよいでしょう。
使う色は3~4色まで
塗料にはさまざまな色があるので、複数の色を使いたいという方もいるでしょう。しかし、外壁だけでなく、家全体で使用する色は3〜4色までに抑えることをおすすめします。3〜4色に抑えることでバランスのよい見た目になりやすく、反対にさまざまな色を使ってしまうと雑多な印象になってまとまりのない印象になりがちです。
サッシや玄関ドア、屋根の色なども含めて、全体のバランスを見て色を選ぶと失敗しにくくなります。
周囲との調和を意識する
外壁塗装の色は、基本的に依頼者の好みに合わせて選択可能ですが、原色など特徴的な色は慎重に選ぶようにしましょう。とくに集合住宅地なので多くの家がある場合、街並みや周囲の住宅に合わない色を選んでしまうと悪目立ちする可能性があります。
信頼できる業者の見つけ方
最後に、最重要ともいえる業者の選び方について解説します。
いくらグレードの高い塗料を選んでも、施工業者の知識や技術が低ければ、期待できる効果を得られない可能性があります。また、相場より高い金額を請求したり、手抜き工事をしたりするような悪徳業者も存在するので、業者選びは慎重に行うことが大切です。
ここでは、信頼できる業者の見つけ方を解説します。
現地調査や点検が丁寧
外壁塗装のプランや見積りを作成する前に、丁寧な現地調査と点検を行ってくれる業者は信頼度が高い傾向にあります。外壁の状態は時間をかけて丁寧に見なければ詳細な状態がわからないため、60〜90分ほどかけて丁寧に見てくれる業者を選びましょう。反対に、30分以内で家の周りをサッと見るだけでプランや見積りを提示してくる業者は信頼できないうえに、追加費用が発生する可能性が高いといえます。
見積書が詳細でわかりやすい
必要な項目と数量、単価を明記し、詳細な見積を提示してくれる業者も信頼度が高まるポイントの一つです。たとえば、以下のような内容と単価、数量が記載されていれば、丁寧な見積だといえるでしょう。
・作業内容
・各工程でかかる材料や工程、数量、単価
・施工面積
・施工範囲
・施工回数
・具体的な塗料名と単価、数量
一方、項目が少なく「一式」としか記載されていない、塗装工事と記載されているものの、使用製品(塗料)や数量(施工面積)が明記されていないのは、悪い見積もりだといえます。
項目を少なくして不明確にすることで、金額を上乗せしているのをわかりにくくしたり、手抜き工事をしたりする可能性があります。
豊富な施工実績があり、評判がよい
外壁塗装の施工実績が豊富で、口コミや評判のよい会社を選びましょう。施工実績は業者のホームページに掲載されていることが多いので、何件あるのか、どのような住宅をどのような塗料で施工しているのかなどチェックしてみましょう。住宅は一軒ずつ状態や形が異なるので、施工実績が豊富なほど知識や経験が豊富である可能性が高いです。
また、業者のホームページには魅力的なことが多く書かれているので、口コミなどを確認しておくのもおすすめです。相場より高かったり、手抜き工事をしている業者は、口コミにそのような内容が書き込まれているケースがあるので、契約前に確認しておくと安心でしょう。
点検や施工時の写真を共有してくれる
点検で見つかった劣化部分や、施業内容を写真で共有してくれるところは、優良業者である可能性が高いでしょう。写真で報告してくれないからといって、必ずしも悪徳業者であるとは言い切れませんが、依頼者の安心につながるよう写真を見せてくれるのは、満足度の高いサービスを提供しようとしている業者だといえます。
初めての外壁塗装でよくある疑問
外壁塗装の基礎知識について解説しましたが、基礎知識で解説したこと以外にも疑問や不安を感じている方もいるでしょう。
外壁塗装を初めて行うときに疑問に感じがちなポイントについて、一つひとつ解説します。
施工中に外出できる?
施工期間中の外出は可能です。ただし、足場や養生、飛散防止シートなどで死角ができることもあるので、戸締りを確認してから出かけましょう。
相見積もりは取るべき?
相見積もりは必ずしも取らなければならないものではありませんが、適正価格なのか、サービス内容や対応は丁寧かどうかなどを判断するのに役立ちます。相見積もりを取ると失敗するリスクを抑えられる反面、あまり多くの業者から見積りを取ると、対応が大変なうえに、最終的に1社に絞るのが大変になります。相見積もりを取るなら3社前後として、丁寧に比較してみることをおすすめします。
ただし、訪問販売で契約を迫る業者や、相場より安すぎたり、高すぎたりする金額を提示してくる業者は悪徳業者である可能性があるため、何らかの違和感を覚えた場合は相見積もりを取るとよいでしょう。
洗濯物を屋外に干せる?
施工期間中は、基本的に屋外で洗濯物を干すのはむずかしいでしょう。臭いや塗料が付くリスクがあるうえに、作業の邪魔になる可能性があります。そのため、一時的に部屋干しにするか、コインランドリーを使うといった対応を検討しておく必要があります。
雨や雪の日に施工可能?期間が延びることもある?
外壁塗装では、雨や雪の影響で施工が中断し、期間が伸びることがあります。雨天で行われる作業工程もありますが、塗装は雨や雪、湿度の影響で乾燥しにくくなるので作業を行えません。
梅雨や雪の降る地域などは、タイミングによって施工期間が伸びることを想定して予定を組みようにしましょう。
まとめ
今回は、初めての外壁塗装で押さえておきたい基礎知識を解説しました。外壁塗装は決して安いものではないため、簡単にやり直しができません。一度施工すると数年〜数十年は付き合っていかなければならず、後悔することのないよう事前に基礎知識を付けておくことが重要です。
ぜひ今回の記事を参考に、基礎知識を踏まえて失敗のない外壁塗装を実現してください。
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