コラム
外壁
外壁のチョーキングとは?発生原因や放置するリスク、対処法などを解説
2023.12.09
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「チョーキング」とは、外壁塗装の代表的な劣化症状の一つです。
大切な住まいを守るためにも、チョーキングを見つけたら対処しなければなりませんが、
「そもそもチョーキングって何?」
「チョーキングなのか、汚れなのか判断できない……」
という方も多いでしょう。
そこで今回は、外壁の劣化症状であるチョーキングについて詳しく解説します。発生原因や確認方法、対処法などを解説しますので、外壁塗装が劣化し始めているかもしれないと感じている方は、ぜひ参考にしてください。
外壁の劣化症状の一つであるチョーキングは、白亜化現象とも呼ばれており、外壁に触れたときに白い粉が付着する現象を指します。
チョーキングについて詳しく理解するためには、外壁塗装の塗装について押さえておく必要があるので、見ていきましょう。
まず、外壁塗装の塗料には以下の4つの成分で構成されています。
・顔料
・樹脂
・添加剤
・溶剤
塗料の含まれる成分のうち、チョーキングは樹脂と顔料によって起こります。
樹脂は硬化して塗膜の主成分となるものであり、顔料を膜として強固に密着させる働きがある一方、顔料は色を付けるための粉であり、白やベージュ、グレー、黒などの塗料の色は顔料によって決まります。
しかし、外壁塗装は雨や風、紫外線などの影響で少しずつ劣化するため、塗膜に含まれる樹脂が少しづつ分解され、顔料が塗膜の表面にチョークの粉のようになって出てきてしまうのです。
なお、粉の色は白であることが多いですが、外壁と似た色の粉が付着するケースもあります。
外壁のチョーキングとは何かについて解説しましたが、そもそも外壁のチョーキングは何が原因で発生するのでしょうか。
ここでは、外壁にチョーキングが起きる原因について解説します。
外壁塗装の塗料に含まれる顔料は、粉末状の物質です。そこに、樹脂と添加剤を加え、溶剤にあたる水、もしくはシンナーで薄めることによって塗料ができます。
そして、外壁に塗料を塗布すると、塗装した表面部分に塗膜が形成され、外壁材を雨や紫外線などから保護できます。
しかし、外壁塗装の効果も永続的なものではありません。外的要因の影響で少しずつ塗膜が劣化し、劣化とともに顔料が粉末状となって表面化するのがチョーキングです。
このように、外壁にチョーキングが起こるのは、経年劣化で塗料が劣化するからというのが理由の一つです。
なお、クリヤー塗料と呼ばれる透明な塗料には顔料が含まれていないため、チョーキングは発生しません。
施工不良や手抜き工事が起こった場合、塗料が想定よりも早く劣化したり、不具合が起きたりするため、チョーキングにつながるのです。
【施工不良・手抜き工事の例】
・下地処理が不十分だった
・高圧洗浄後の乾燥時間が不十分だった
・雨の日や雪の日など、外壁塗装に適さない条件で塗装工程を進めた
・適正な量の塗料を塗布しなかった
・塗料をしっかりと攪拌しなかったた
・十分に塗料を乾燥させないまま、工程を進めていた
施工不良や手抜き工事にはこのような例があります。塗装完了後はきれいに見えても、きちんと施工されていないため、ごく短期間でチョーキングなどの症状が見られるケースがあります。
たとえば、耐用年数が10年とされているシリコン塗料で外壁塗装を実施したにもかかわらず、施工完了から2年でチョーキングが起こった場合は、施工不良が疑われるでしょう。
塗装時の施工不良や手抜き工事が疑われる場合は、いったん施工業者に問い合わせを行い、対応を確認するのがおすすめです。
外壁に触れたときに粉が付着した場合、チョーキングである可能性がある一方で、単なる汚れであるケースもあります。
チョーキングなのか、汚れなのかは区別が付きにくいですが、ポイントを押さえておくことでどちらかを判断できます。
では、外壁のチョーキングの確認方法を見ていきましょう。
ただ、チョーキングは白い粉であるケースが多いですが、塗料の色によっては白い粉でないケースもあります。
また、チョーキングは紫外線による劣化で発生するため、日当たりのよい外壁面でチェックしてみてください。何か所か触れてみて、離れた位置でも粉が付着する場合はチョーキングの可能性が高いといえます。
チョーキングが発生している外壁は、外壁塗装が劣化して防水機能が低下している状態であるため、水に濡れると変色します。
晴れの日と雨の日で、外壁の色が違って見える場合は、単なる汚れではなくチョーキングである可能性が高いでしょう。
外壁にチョーキングが起こっているとはいえ、
「今はメンテナンスによる出費を避けたい」
などの理由で、いったんそのままにしておくことを検討している方もいるでしょう。
しかし、外壁のチョーキングは放置すると、さらに被害が深刻化するリスクがあります。チョーキングが起こっているということは、外壁塗装本来の性能を十分に発揮できていない状態であり、雨水が建物内に侵入したり、構造躯体を腐食させたりと、被害が拡大する可能性があるのです。
ただ、実際、チョーキングが発生したからといって、すぐに外壁材がダメ―ジを受けたり、住宅内に雨水が侵入したりするとは言い切れません。とはいえ、放置していると少しずつ劣化が進み、重大なトラブルになる可能性もあります。
被害が深刻化すると、補修にかかる費用も高額になるため、メンテンコストを抑えるためにも早めに対処することが最もリスクを抑えられる選択だといえます。
外壁にチョーキングが起こったときは、外壁塗装を行うのが一般的な対処法です。
劣化した塗膜や汚れを除去したうえで、新たに塗装を行うため、防水機能を回復させられ、粉吹きも起こらなくなります。
ただし、チョーキングを放置して外壁材が傷んだり、雨水が建物内部に侵入したりすれば、外壁塗装では対処できません。その場合、外壁を張り替えるなど、大規模な修繕が必要になります。
外壁材や外壁塗装の劣化具合によって必要な対処法が変わるため、チョーキングを見つけたらまずは専門業者に相談してみてください。
チョーキングが発生したら、外壁塗装を行うのが一般的な対処法です。
しかし、40坪2階建てのサイディング外壁の住宅の場合、おおよそ90〜140万円が外壁塗装の費用の相場となっており、決して安くない費用がかかります。
そのため、「できるためお金をかけずに対処したい」という理由で、業者に依頼しないで対処する方法を検討したいと考えている方も多いでしょう。しかし、チョーキング現象の対策として、以下はNG行為にあたります。
・DIYによる外壁塗装
・水やブラシで洗浄する
なぜ、やってはいけないのか、理由を見ていきましょう。
しかし、外壁塗装をDIYで実施するのはおすすめしません。DIYによる外壁塗装は以下のような複数のリスクがあるからです。
・高所作業になるため、怪我や事故のリスクがある
・施工には専門的な知識や技術が必要であり、DIYで行うと施工不良になりやすい
・施工不良になると、補修のために無駄なお金がかかる
プロの外壁塗装業者の場合、安全に作業するために足場を設置し、怪我や事故のリスクを抑えて作業できます。
また、外壁塗装は単に塗料を塗るだけでなく、高圧洗浄や下地処理などさまざまな工程があります。一つひとつの工程で専門的な技術・知識が必要になるため、費用はかかるものの、品質を考えると業者に任せる価値があるといえるのです。
このように、費用を抑えられるとはいえ、リスクが多いためDIYで外壁塗装を行うのはおすすめしません。
たしかに、水やブラシで洗浄すると、いったん粉が付着しにくくなります。しかし、チョーキングは水やブラシで洗っただけでは根本解決にはならず、むしろ塗膜を傷つけて劣化を早める原因となります。
チョーキングを根本解決するためには、外壁塗装でメンテナンスを行うしかありません。劣化症状が軽い段階で外壁塗装を行うと費用を抑えやすいため、早めに実施するよう検討しましょう。
今回は、外壁のチョーキングについて解説しました。
外壁のチョーキングは、外壁塗装が劣化しているサインの一つです。経年劣化・施工不良のいずれかが原因で発生します。ただ、どちらが原因であっても、外壁塗装の機能が失われている状態に変わりはないため、早めに対処することが重要です。
なお、チョーキングの基本的な対処法が外壁塗装ですが、劣化が深刻化している場合は外壁の張り替えなど、より大規模な修繕が必要になるケースもあります。
チョーキングを放置することで自然に状態が良くなることはないため、メンテナンスコストを抑えるためにも、できるだけ早く対処するようにしましょう。
大切な住まいを守るためにも、チョーキングを見つけたら対処しなければなりませんが、
「そもそもチョーキングって何?」
「チョーキングなのか、汚れなのか判断できない……」
という方も多いでしょう。
そこで今回は、外壁の劣化症状であるチョーキングについて詳しく解説します。発生原因や確認方法、対処法などを解説しますので、外壁塗装が劣化し始めているかもしれないと感じている方は、ぜひ参考にしてください。
外壁が劣化すると起こる「チョーキング」とは?
外壁の劣化症状の一つであるチョーキングは、白亜化現象とも呼ばれており、外壁に触れたときに白い粉が付着する現象を指します。
チョーキングについて詳しく理解するためには、外壁塗装の塗装について押さえておく必要があるので、見ていきましょう。
まず、外壁塗装の塗料には以下の4つの成分で構成されています。
・顔料
・樹脂
・添加剤
・溶剤
塗料の含まれる成分のうち、チョーキングは樹脂と顔料によって起こります。
樹脂は硬化して塗膜の主成分となるものであり、顔料を膜として強固に密着させる働きがある一方、顔料は色を付けるための粉であり、白やベージュ、グレー、黒などの塗料の色は顔料によって決まります。
しかし、外壁塗装は雨や風、紫外線などの影響で少しずつ劣化するため、塗膜に含まれる樹脂が少しづつ分解され、顔料が塗膜の表面にチョークの粉のようになって出てきてしまうのです。
なお、粉の色は白であることが多いですが、外壁と似た色の粉が付着するケースもあります。
外壁にチョーキングが起こる原因
外壁のチョーキングとは何かについて解説しましたが、そもそも外壁のチョーキングは何が原因で発生するのでしょうか。
ここでは、外壁にチョーキングが起きる原因について解説します。
経年劣化
外壁にチョーキングが起こる原因の一つは、経年劣化によるものです。外壁塗装の塗料に含まれる顔料は、粉末状の物質です。そこに、樹脂と添加剤を加え、溶剤にあたる水、もしくはシンナーで薄めることによって塗料ができます。
そして、外壁に塗料を塗布すると、塗装した表面部分に塗膜が形成され、外壁材を雨や紫外線などから保護できます。
しかし、外壁塗装の効果も永続的なものではありません。外的要因の影響で少しずつ塗膜が劣化し、劣化とともに顔料が粉末状となって表面化するのがチョーキングです。
このように、外壁にチョーキングが起こるのは、経年劣化で塗料が劣化するからというのが理由の一つです。
なお、クリヤー塗料と呼ばれる透明な塗料には顔料が含まれていないため、チョーキングは発生しません。
施工不良
外壁にチョーキングが発生するのは、経年劣化によるもののほか、施工不良が原因となるケースもあります。施工不良や手抜き工事が起こった場合、塗料が想定よりも早く劣化したり、不具合が起きたりするため、チョーキングにつながるのです。
【施工不良・手抜き工事の例】
・下地処理が不十分だった
・高圧洗浄後の乾燥時間が不十分だった
・雨の日や雪の日など、外壁塗装に適さない条件で塗装工程を進めた
・適正な量の塗料を塗布しなかった
・塗料をしっかりと攪拌しなかったた
・十分に塗料を乾燥させないまま、工程を進めていた
施工不良や手抜き工事にはこのような例があります。塗装完了後はきれいに見えても、きちんと施工されていないため、ごく短期間でチョーキングなどの症状が見られるケースがあります。
たとえば、耐用年数が10年とされているシリコン塗料で外壁塗装を実施したにもかかわらず、施工完了から2年でチョーキングが起こった場合は、施工不良が疑われるでしょう。
塗装時の施工不良や手抜き工事が疑われる場合は、いったん施工業者に問い合わせを行い、対応を確認するのがおすすめです。
外壁のチョーキングの確認方法
外壁に触れたときに粉が付着した場合、チョーキングである可能性がある一方で、単なる汚れであるケースもあります。
チョーキングなのか、汚れなのかは区別が付きにくいですが、ポイントを押さえておくことでどちらかを判断できます。
では、外壁のチョーキングの確認方法を見ていきましょう。
外壁を手で触ってみる
外壁に手で直接触れたとき、手に白い粉が付着する場合はチョーキングが疑われます。ただ、チョーキングは白い粉であるケースが多いですが、塗料の色によっては白い粉でないケースもあります。
また、チョーキングは紫外線による劣化で発生するため、日当たりのよい外壁面でチェックしてみてください。何か所か触れてみて、離れた位置でも粉が付着する場合はチョーキングの可能性が高いといえます。
外壁を水で濡らしてみる
外壁を水で濡らし、外壁の色の変化でチョーキングかどうかを判断する方法もあります。チョーキングが発生している外壁は、外壁塗装が劣化して防水機能が低下している状態であるため、水に濡れると変色します。
晴れの日と雨の日で、外壁の色が違って見える場合は、単なる汚れではなくチョーキングである可能性が高いでしょう。
外壁のチョーキングを放置すると起こるリスク
外壁にチョーキングが起こっているとはいえ、
「今はメンテナンスによる出費を避けたい」
などの理由で、いったんそのままにしておくことを検討している方もいるでしょう。
しかし、外壁のチョーキングは放置すると、さらに被害が深刻化するリスクがあります。チョーキングが起こっているということは、外壁塗装本来の性能を十分に発揮できていない状態であり、雨水が建物内に侵入したり、構造躯体を腐食させたりと、被害が拡大する可能性があるのです。
ただ、実際、チョーキングが発生したからといって、すぐに外壁材がダメ―ジを受けたり、住宅内に雨水が侵入したりするとは言い切れません。とはいえ、放置していると少しずつ劣化が進み、重大なトラブルになる可能性もあります。
被害が深刻化すると、補修にかかる費用も高額になるため、メンテンコストを抑えるためにも早めに対処することが最もリスクを抑えられる選択だといえます。
外壁にチョーキングが起こったときの対処法
外壁にチョーキングが起こったときは、外壁塗装を行うのが一般的な対処法です。
劣化した塗膜や汚れを除去したうえで、新たに塗装を行うため、防水機能を回復させられ、粉吹きも起こらなくなります。
ただし、チョーキングを放置して外壁材が傷んだり、雨水が建物内部に侵入したりすれば、外壁塗装では対処できません。その場合、外壁を張り替えるなど、大規模な修繕が必要になります。
外壁材や外壁塗装の劣化具合によって必要な対処法が変わるため、チョーキングを見つけたらまずは専門業者に相談してみてください。
外壁にチョーキングが起こったときにやっては行けないこと
チョーキングが発生したら、外壁塗装を行うのが一般的な対処法です。
しかし、40坪2階建てのサイディング外壁の住宅の場合、おおよそ90〜140万円が外壁塗装の費用の相場となっており、決して安くない費用がかかります。
そのため、「できるためお金をかけずに対処したい」という理由で、業者に依頼しないで対処する方法を検討したいと考えている方も多いでしょう。しかし、チョーキング現象の対策として、以下はNG行為にあたります。
・DIYによる外壁塗装
・水やブラシで洗浄する
なぜ、やってはいけないのか、理由を見ていきましょう。
DIYによる外壁塗装
外壁塗装は業者に依頼すると少なくとも数十万円の出費となるため「外壁塗装をDIYで実施したい」と考えている方もいるのではないでしょうか。しかし、外壁塗装をDIYで実施するのはおすすめしません。DIYによる外壁塗装は以下のような複数のリスクがあるからです。
・高所作業になるため、怪我や事故のリスクがある
・施工には専門的な知識や技術が必要であり、DIYで行うと施工不良になりやすい
・施工不良になると、補修のために無駄なお金がかかる
プロの外壁塗装業者の場合、安全に作業するために足場を設置し、怪我や事故のリスクを抑えて作業できます。
また、外壁塗装は単に塗料を塗るだけでなく、高圧洗浄や下地処理などさまざまな工程があります。一つひとつの工程で専門的な技術・知識が必要になるため、費用はかかるものの、品質を考えると業者に任せる価値があるといえるのです。
このように、費用を抑えられるとはいえ、リスクが多いためDIYで外壁塗装を行うのはおすすめしません。
水やブラシで洗浄する
チョーキングの対処法として、水やブラシでの洗浄を検討している方もいるでしょう。たしかに、水やブラシで洗浄すると、いったん粉が付着しにくくなります。しかし、チョーキングは水やブラシで洗っただけでは根本解決にはならず、むしろ塗膜を傷つけて劣化を早める原因となります。
チョーキングを根本解決するためには、外壁塗装でメンテナンスを行うしかありません。劣化症状が軽い段階で外壁塗装を行うと費用を抑えやすいため、早めに実施するよう検討しましょう。
まとめ
今回は、外壁のチョーキングについて解説しました。外壁のチョーキングは、外壁塗装が劣化しているサインの一つです。経年劣化・施工不良のいずれかが原因で発生します。ただ、どちらが原因であっても、外壁塗装の機能が失われている状態に変わりはないため、早めに対処することが重要です。
なお、チョーキングの基本的な対処法が外壁塗装ですが、劣化が深刻化している場合は外壁の張り替えなど、より大規模な修繕が必要になるケースもあります。
チョーキングを放置することで自然に状態が良くなることはないため、メンテナンスコストを抑えるためにも、できるだけ早く対処するようにしましょう。
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